断熱材
について考える

セルローズファイバーが充塡された壁

断熱・調湿・防音・防火、
全てに優れた
セルローズファイバー断熱


 『素暮(すくら)』の標準仕様になっている「セルローズファイバー断熱」。あまり聞いたことのない名前ですよね? セルローズファイバーとは、木質(セルローズ)繊維(ファイバー)のこと。材料は主に新聞紙や段ボールを粉末状に破砕したものに、ホウ酸を加えて作られています。
 材質は木材が由来の紙でできているので、自然素材、しかも、新聞の印刷予備紙など廃棄される紙をリサイクルして原料にしているため、環境にも優しい素材です。
 紙の粉末が断熱材になるって、不思議な感じがしますが、その性能は折り紙付き。セルローズファイバー断熱の発祥の地アメリカでは、戸建て木造住宅の40%に断熱材として利用される高いシェアを誇り、40年を超す住宅寿命を実現しています。
 さぁここで、セルローズファイバーが、断熱・調湿・防音・防火、全てに優れている「秘密」をひも解いてみましょう。

性能の差は調湿能力の有無にアリ

 断熱材の種類は大きく分けて、自然系・プラスチック系・鉱物系に別れます。
 自然系の代表はセルローズファイバー。プラスチック系の断熱材はポリスチレンフォーム、いわゆる発泡スチロールや、硬質ウレタンフォームなどがあります。鉱物系が最も一般的で価格も安く、グラスウールやロックウールが使われています。

 最もよく使われる鉱物系断熱材は、施工が簡単で安価な代わりに、柱や壁の間に隙間が生じやすく、断熱性能が劣ります。また、壁内で発生した結露が溜まり、沈下してさらに隙間ができたり、カビが発生したりと、湿度が弱点。

 プラスチック系は様々な製品が開発されています。硬質フォームは沈下・変形の心配がないので、鉱物系に比べ長持ちしますが、壁内の隙間に合わせて切るので、どうしても隙間が発生し、配線・配管まわりの細かい部分は施工できません。

 同じプラスチック系でも、発泡ポリエチレンは、セルローズファイバーと同じく充塡方式なので、狭い隙間も塞ぎ、断熱効率は最も高いといえるでしょう。
 しかし、プラスチック系素材は透湿性・吸湿性がないので、鉱物系と同じく湿度に弱いのが難点です。

 セルローズファイバーは、充塡方式のため隙間なく断熱でき、透湿性があるため壁内結露を発生させず、吸湿性があるため、お部屋の湿度を調節する機能があります。
 添加されたホウ酸の働きによって、難燃性・防カビ・防虫の効果があり、自然素材の弱点をカバーしています。

 このように、セルローズファイバーは他の断熱材のデメリットを全てカバーする、頼もしい断熱材なのです。その性能を十分に発揮させるためには、壁の仕上げをビニルクロスなどの化学素材ではなく、同じ透吸湿性のある自然素材にする必要があります。

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大手メーカーが採用しない理由は?

 このように、断熱材としての性能は群を抜くセルローズファイバーですが、なぜ日本ではまだそれほど普及していないのでしょうか?

 建材のコストもさることながら、住宅メーカーが最も気にするのは、工期の短縮と人件費です。グラスウールやウレタンフォームは、専門の業者を必要とせず大工さんが施工することができ工期を短縮できますが、セルローズファイバーは専門業者による吹き込み作業のために他の工事が中断してしまいます。

 安かろう悪かろうでは建てた意味がありません。また、結露やカビが発生すると、健康にも影響が出てきます。永く住む家だからこそ、本当にいいものを選びたいですね。